「あなたはあなたの強さを知らないだけ」と妻が女神のような笑顔で言わないかなという妄想|新清洲駅の歯科・歯医者なら、岡崎歯科

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「あなたはあなたの強さを知らないだけ」と妻が女神のような笑顔で言わないかなという妄想

ときどき、妻が私に言う場面を妄想する。「あなたは、あなたの強さを知らないだけ」

もちろん、言われたことはない。一度もない。

それどころか実際には、そのようなフリを掛けても「病気?」くらいで終わる可能性が高い。しかし私は、いつか不意にそんなことを言ったりしないかな、と思っている。

夕暮れの台所あたりで。

妻が大根を切りながら、こちらも見ずに、

「あなたは、あなたの強さを知らないだけよ」

とか。

私はそこで包丁の音を聞きながら、静かに目頭を熱くするのである。

問題は、この妄想が健全かどうかだ。妻からの評価を待っている時点で、あまり自立した大人とは言えない気もする。一方で、四半世紀以上一緒に暮らした人から、たった一度くらいそんなことを言われたいと思うのは、それほど罪深いことだろうか。

たぶん私は、自分が強いと認めてほしいのではない。自分でも気づいていない何かを、ずっと隣にいた人だけは知っていてほしいのだ。

そう考えると、少しだけ健全な気がしてくる。

いや、やっぱりかなり面倒くさい夫である。

そして今日も妻は、そんなことは言わない。言うはずもない。

私は勝手に待っている。

俺、大丈夫か?

院長 岡崎伸一