今も心にあの一冊「ドラえもん第6巻」藤子不二雄・作|新清洲駅の歯科・歯医者なら、岡崎歯科

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今も心にあの一冊「ドラえもん第6巻」藤子不二雄・作

小学校のドッジボール大会がある前日などはなかなか寝つけなかった。
明日は何としても最後まで残って無茶苦茶速いボールが来てもビシって受けて、猛烈なスピードで投げて相手を次々弾き出し、クラスのみんなからいっぱい声援をもらって女の子からもキャーキャー黄色い声があがってうわぁオカザキくんってこんなにすごいんだぁ、なんて言われたらどうしよう、いや、言われたい!一度でいいからなんとしても言われたい!などと布団の中で頭チンチン沸騰なのでありました。
実際私がどうかというと、クラスで一番小さく、非力で、真っ先に狙われて外に出される残念くんなのでした…が、想像は勝手なのであります。でも、心のどこかで無茶苦茶頑張れば、無茶苦茶勇気を振り絞ればできるんじゃないかとも思っていた、ような気がするのです。

ドラえもん第6巻の最後の話はあまりにも有名です。
ドラえもんが未来の世界に帰らなくてはならない、衝撃的な告白に動揺するのび太とそんなのび太が気がかりなドラえもん。でものび太はドラえもんに安心して帰ってもらうためにいつものようにいじめてくる天敵ジャイアンに立ち向かったのです。
激しいパンチを何度食らっても尋常でないしつこさで引き下がらないのび太。
とうとうジャイアンは根をあげて立ち去ります。
同時にその場を見つけたドラえもんはびっくり!のび太は「これで安心して帰れるだろ、ドラえもん・・」と。
ボロボロののび太を抱えて涙を流すドラえもん。
家に帰り静かに眠るのび太を見守る涙のドラえもん・・・・・・
たしかそんな感じだったような。
読んだ当時は衝撃的な展開に完全に心奪われ、人生で最も大切なことは勇気、ただその一点だと感じ入ったのでした。

さて、私にとってのドッジボール大会は始まって数秒で速いボールに当てられ外野に行き、もう二度とボールに触れない、で終了がお決まりでした。ボールを一切さわれない大会のあまりにも長い時間を苦笑いでやり過ごしながら、なぜかそんな時にあのものすごい勇気を振り絞ったのび太になる時はいつかくる、と、ふつふつと思い巡らせるのでした。コートにクラスで最後の一人として奮闘し黄色い声援を受けるかっこいい同級生に「頑張れ〜」と何だかよくわからない気持ちで叫びながら。

院長 岡崎伸一