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カマカマ・ダンドゥビ・ドゥダンダン
冒頭の「カマカマ・ダンドゥビ・ドゥダンダン(と聞こえる)」が印象的。「別れはつらいよ」と、実に明るい調子で歌い上げるアメリカンポップスを代表するニール・セダカの一曲です。原題「Breaking up is hard to do」。この曲、気づけば人生のいろいろな場所で耳にしてきました。昔はラジオから。街のスピーカーから。喫茶店の有線放送から。そしていつの頃からか、ミスタードーナツの店内でもよく流れていました。特別に意識していないのに、誰もがどこかで聞いたことがある、そんな曲のひとつです。
先月ニール・セダカの訃報を耳にしました。その瞬間、このメロディがどこからともなく頭の中に流れ始めたのです。音楽というのは不思議なもので、ある曲は人生の時間と一緒に流れています。思い出の一場面というより、むしろ人生のBGMのように。気がつくと、ずっとそこにあったりします。
歯科医院という場所も、どこかそれに似ている気がするのです。毎朝同じ時間に扉を開け、スタッフが集まり、患者さんを迎える。一日は慌ただしく過ぎていく。予約は整然と組み立てられている。しかし思いがけない急患が入る日もある。小さなトラブルもあれば、笑い声が診療室のどこかしこから立ち上がる。そういう日々を繰り返しているうちに、一年、二年と時は流れていきます。
そしてある日、スタッフが人生の節目を迎える。結婚。出産。引っ越し。介護。新しい挑戦。やがて、医院を離れる日が来ることもあります。「Breaking up is hard to do」 別れというのは、やはり簡単ではありません。しかし考えてみれば、別れが寂しいということは、それだけかけがえの無い時間を共有していた証拠でもあります。何も積み重ならなかった関係なら、別れもまた軽いはずです。歯科医院という場所は医療機関ではあるけれど、明らかにそれだけではありません。人が出会い、時間を重ね、小さな物語が自然と紡がれていく場所でもあるのです。
あの曲のイントロがまた頭の中で鳴り始めます。カマカマ・ダンドゥビ・ドゥダンダン。軽やかなリズムの向こうで、ニール・セダカが「別れはつらいよ」と一聴すると明るく歌っている。しかし何度も聞くとその奥にある、別れの予感もない日々への慕情が感じ取れる。さらにスローバージョンを聴くと・・・ダメだ、泣けてきてしまう、です。
うんうん、そうだよね。人生というのは不思議なもので、本当に残るのは別れそのものではなく、
その前にあった時間なのだと思えてきます。そして、ふとこんな気がしてくるのです。歯科医院という場所は、私たちにとって仕事場ではあるけれど、青春の続きなのかもしれない、と。
院長 岡崎伸一
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