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続・いのち
三女は少し歳の離れた末っ子で高校生、オシャレに余念がなく、通学バックにはミニーがぶら下がっている、いまどきの女子。
小さな時からお姉ちゃん達に抗いながら自分の居場所を見つけようとする意志を秘めつつも、何か面白いことを待ち望む夢見ちゃん。甘えん坊であるけど、自分の正義に照らして曲がったことは許せない、という一本気なところも持ち合わせている。
そんな彼女とある日夕食時に二人きりだった。そっか〜、こんなことは珍しい、今日は二人で焼肉でも行くか〜となり、二人ともニンマリしながら近所の割安焼肉店へ。
気持ちがのっていたからか、タンにカルビ、ロース、と頼んでいった。お肉は思った以上に多かった。それでも食べ始める。最初は調子良かったものの二人とも徐々にペースダウン。濃い味付けと十分すぎる脂身にやられてしまった。
だめだ、頼みすぎた〜。まだ、一皿分残っている〜。きついな〜、と私が弱音を吐いていた時不意に彼女が真剣な表情で静かに言った。
「いのちだよ。」
そして彼女は苦しい表情ながらもパクパクと食べ続けた。
い、いつの間に、こんな人間に成長したのか!
私は「う、うん。」と言って同じく食べ続けた。
結果私たち親子は頼みすぎたお肉を完食したのでした。私はダブルで胸いっぱいになりながら。
院長 岡崎伸一