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油山アップアンドダウン(中)
ああああああ恐怖を振り払うように喚きながら鼻水とよだれでぐちゃぐちゃになりながら走り続けました。途中で通り過ぎる車のヘッドライトの強烈な光を浴び、それは一瞬で通りすぎました。この山を越えて僕はどこに行くのだろう?先立つ恐怖がいつしか負け試合の悔しさを越えていました。
もう限界、と歩き始めた時勾配は緩くなり、ガヤガヤと人の声がして徐々に周りは明るくなりました。多くの車高の低い車や威勢の良い変形が施されたバイクが集結していました。そこでは有り余るエネルギーを感じさせる若者たちがアクセルをふかしたり、素晴らしいホーン音を鳴らしたりして楽しそうにしていました。そこに明らかにテイストの違ランニングシャツ人間は近づいていきました。気づいた一人が話しかけてくれました。「兄さんさっき苦しそうに走りよったとでしょ。」(たしか)緩やかにパーマがかかり茶髪は気持ちよさそうにふわふわで眉毛が細い真一文字で自らのスタイルへの強い意志を感じさせる若者でした。私が「はい。」と答えると彼は「うわぁ、こんな坂道走るとかようしきら〜ん。兄さん気合いばあるね〜。」ついさっきまで暗闇で孤独で恐怖だっただけに彼の言葉が嬉しく「実は、悔しいことがあって〜。」と身の上話をしたのでした。 院長 岡崎伸一