油山アップアンドダウン(上)|新清洲駅の歯科・歯医者なら、岡崎歯科

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油山アップアンドダウン(上)

大学4年時、ある大会で完全に自分の不甲斐なさで初戦負け。ペアを組んだ後輩は怒りをぶちまけ、私はただただ悔しさの沼に沈みました。その日下宿へ帰るも心のざわざわは止まリません。とても部屋にいる気分じゃない。とにかく走ろう。どこへ?北に走ってもすぐ海になってしまう。だから南に向かって走りました。ああああ、とか叫びながらひたすら福岡の南に向かって走ったのです。日はとっくに暮れていました。市街地を抜けると徐々に民家も疎な人の気配のない場所に。それでも南に向かって走り、少しずつ登り坂になり、息が上がってきました。気がつくと周囲は緑だらけで明らかに山を登る自動車道へとかわります。油山観光道路、と標識。とにかく俺は走るんだ。道はいよいよ急勾配になり、周囲も真っ暗に。道は細く、たまに行き交う車のヘッドライトが眩しく、しばらく車も通らず真っ暗な中でいよいよ苦しくなってきました。もがくように歩くように、この勾配が終わるところまでなんとか走り切ろうと朦朧となりながら思っていたその時、真っ暗な中でうっすらと木の立札がありました。よ〜く見ると「〇〇観音像」と。恐る恐るその先を見ると暗闇に何かが立っているように見えたのです。ひ〜!足が止まりました。真っ暗、気がつくとヒュ〜ヒュ〜と風の音しかしません。この暗闇に僕と〇〇観音さまだけ。神聖な場所に土足で入り込んだ自分はどうなるかわからない。とにかくここを離れよう!うわぁあああ!叫びながら私はどこにこんな力が残っていたのかという力でさらに坂道を登っていったのです!走り始めて(しまった!これだと帰りにまた観音さまのところを通るじゃん!)と気づいたもののもう引き返すこともできず登りに登ったのでした。 院長 岡崎伸一