歯周病原因菌の一つとしても仁義きらせていただきます|新清洲駅の歯科・歯医者なら、岡崎歯科

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歯周病原因菌の一つとしても仁義きらせていただきます

お控えなすって。
あっし、生まれははっきりしやせん。人から人に感染してぬらり生きているもんでございやす。姓はポルフィロモナス、名はジンジバリス、歯周界隈じゃ「黒き影」と呼ばれておりやす。

もともとゃ、目立たねぇ下働き、
空気のねぇとこが好きでござんして、黙ってヌルリと歯周ポケットに棲みついておりやした。

けどね、あっしには武器がある。
「ジンジパイン」ってぇ酵素を手にゃ馴染ませりゃ、
タンパク質っちゅうタンパク質、バラして溶かして思うがまま。
歯茎の細胞?免疫細胞?
ふっ、そんなもん、あっしの手にかかりゃ溶けて流れて、やがて歯の根っこが丸出しでござんす。

しかも、こいつが一番の芸当なんですがね、
あっし、他の菌たちを焚きつけるのがうめぇんで。
仲間たちを呼んで集めりゃ、歯周ポケットはまるで祭りの寄り合い、
炎症、出血、骨の吸収——えぇ、骨まで喰らうのが、
ポルフィロモナス・ジンジバリスってぇ、あっしの流儀でござんす。

昔言われやした、
「おい、ジンジバリス、てめぇが出ると歯が抜ける」ってな。
でもね、これだけは忘れちゃいけねぇ、
あっしらが元気すぎるってのぁ、どっか人間様の暮らしが乱れている証拠。
磨けぬ歯、乾いた口、過ぎた甘味、キセルで煙に塗れた歯茎なんてものは言わずもがな、
そこにゃ必ず、あっしの居場所があるってもんで。

しかしながら、これだけは言っておきてぇ。
どんなに仁義切ろうと、あっしの世界は人の影。
光があるんで影もある。
どうですかい?影に飲まれぬように生きるのが、人間様の道理ってやつでしょ?

へぇ……長ぇ話にお付き合いいただき、ありがとうござんした。
あっしはまた、静かに深く、歯周ポケットの底へと帰りやす——。

 院長 岡崎伸一