お知らせ INFORMATION
ブログ
名曲アルバム④「交響曲第9番ホ短調『新世界』」ドヴォルザーク
二十歳を越えた。依然として女子と話せない、だけでなく女子と普通に話せる男子にも劣等感を抱いていた。人間関係構築は困難を極めた。
そんな精神状態の私は無謀にも福岡天神の若者向け洋服店に入った。自分が壊れてしまう予感もあったが大学生にもなって、名古屋も離れて、いいかげん劣等感を克服したかったのだ。店内に入った。緊張から汗が噴き出る。所在無げにしていると奥で女子店員さんと和やかに話していたこの世のオシャレの化身の如きロン毛の男の人が近づいてきた。
来る!
脳内で『新世界』が反響する。
イケてる男が来る!
心臓が、昂る。
落ち着け、落ち着け。
俺は、平然と、そう、平然と受け応えるんだ。
「どんなテイストお探しです〜」
オシャレの化身の如き爽やかで軽やかな破壊力満点のカウンターパンチが入った!
パーン!気持ちが潰れた。もうだめだ。泣き声でしか話せない!でも話さないとオシャレの化身の店員さんに悪い!体はぶるぶる震え、声もあわわと震えるまま「さ、探すなんてとんでもないです。僕みたいなのがこんなところにきてごめんなさい。」たしかそういうようなことを言ってガチガチの体をギシギシ動かして店を後にしたのでした・・・。
この感覚わかるって方、いないですよね。今思うと、何をそんなに、となるのですが、それは青春と呼べる時期からかなり遠ざかったからかもしれません。現在に至る大切な過程だったと今は思えます。
院長 岡崎伸一