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名曲アルバム③「兄弟船」鳥羽一郎
そうこうするうちに高校卒業・受験失敗、何者でもない19歳であった。歯学部を目指すと決めていたのでただ勉強に邁進する、に違いはなかったが合わせて歯科医師など務まるのかという恐怖と背中合わせでもあった。女性の顔を見られない、話せない、話したとして二言目にはうわぁ!と叫ぶか泣き声になる。これでは将来、仕事そのものが成り立たないだろう。一方で妄想の中ではすでに数々の出会いと別れを経験していた…ああぁあ、くそ〜っ、わかってる、俺は狂っている。破綻している。うぉおお。
人はそんな時ラジオを聞くものです。
そしてそんな時に限って「兄弟船」が流れるものです。
鳥羽のアニキは私を連れ出します。型は古いがしけには強い船で一気に沖へ出ると、潮の煽りを受けながらもアニキと私は夢中で網を巻き上げます。ヨイショ!ファイト一発CMさながらの臨場感に包まれ私はこれが永遠であってくれと願うのでした。
気がつくと曲は終わり、目の前には数学の問題集。落ち着きを取り戻した私は静かに次の問題に取り掛かるのでした。
院長 岡崎伸一