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「Mine or Yours」と26年目の午後
岡崎歯科が開業したのは1999年。宇多田ヒカルのデビューアルバム『First Love』が発売された年です。20世紀が終わろうとして、インターネットはまだダイヤルアップ、スマホなど影も形もなかった頃。そんな時代に、あの歌声が聞こえてきました。
「な、なかいめのベルで受話器をとった君」
『Automatic』のこのフレーズを聴くたびに、開業当初の慌ただしくも眩しい日々が思い起こされます。診療室の器具が揃い、患者さんを迎えながら、どこかで自分自身も“受話器を取った側”のように、何か大きな物語のはじまりに手がかかっていました。
それから25年が経ち、診療室は移転、新清洲駅前の街並みも、そして自分自身も変わりました。でも、不思議と変わらないもの、それは、宇多田ヒカルの歌声がいつも、人生の節目や揺れる心の傍らにそっと寄り添ってくれることです。
最近リリースされた新曲『Mine or Yours』を聴きました。この曲には、肩肘を張らない、けれど誤魔化しのない“日常”があります。20代の頃のあの研ぎ澄まされた切なさではなく、時の流れを受け入れた上での、静かで強い肯定が宿っている、そんな感じがします。
私たちは、たとえ大きな夢を見なくなっても、日々を丁寧に積み重ねることで、ある種の美しさを手に入れていくのかもしれない。そう思わせてくれる何かがあります。
歯科医院という場所も、どこか似ています。派手ではないけれど、毎日誰かの「今」を守っている。宇多田ヒカルの音楽のように、決して主張しすぎず、でも確かに人の生活に寄り添っている。
『Mine or Yours』というタイトルの通り、これは“どちらのもの”でもある音楽であり時間です。あの頃の自分と、今の自分をつなぐ、患者さんと私たちをつなぐ、そして、宇多田ヒカルと私たち一人ひとりの人生を、さりげなくつなげてくれています。
25年経っても、変わらず聴きたいと思える歌がある。変わらず通い続けたいと思える歯科医院でありたいと思う。そんな想いを、今日の午後、小さく胸に抱きながら。
院長 岡崎伸一
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