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唾液だって黙っちゃいられねぇでございます
お控えなすって
あっしゃこの口ん中、日夜かまびすしい現場で、
黙ってぬらりと働く“唾液(だえき)”と申します。
名乗るほどのもんじゃござんせんが、
昔っから人様の命を水面下で支えちゃ、
嚥下に潤い、消化に手助け、
何よりこの歯っつぁんと歯ぐきの仲人役ときたもんだ。
日が昇りゃあ、パリっとパンを噛みやすくし、
夜が更けりゃあ、細菌の野郎どもが暴れぬように見張りを張る。
涙の裏の苦労話、だがそれもまた、あっしの矜持(きょうじ)ってやつで。
だけどよ、ここんとこ、若いのが言いやがるんでさ。
「口が乾く」「なんかベタつく」「味がしねぇ」って。
そりゃああっしも、年季が入っちまった体(てい)でさ、
薬やストレスにゃ敵いやせん。
でもな旦那、あっしが黙っちゃいねぇのは、
この口の中にゃ、仁義ってもんがあるからでさァ。
歯も歯茎も、菌も酵素も、みんながうまくやってんのは、
あっしがそこに、きっちり「流れ」を通してるからで。
乾いちゃならねぇ、淀んじゃならねぇ、
この街(口)の水は、あっしが護るってんで――
今日もまた、食事のたんびに滲み出る。
まるで親方日の丸の涙雨、
しょっぱいけれども、心があるぜってなもんで。
歯がある、噛める、味がする。
その裏にゃあ、あっしら“唾液の浪花節”が流れているってこと、
忘れちゃいけやせんぜ、旦那。
院長 岡崎伸一
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